デカフェ情報

お茶から「カフェイン」を取り除く方法(脱カフェイン法)について解説

筆者。

「DecaFika」をご覧いただきありがとうございます。

カフェインレス・デカフェと記載されたお茶は、元からカフェインの含まれているものから、カフェインを取り除いたものとなっています。

しかし、「どのように取り除くか」という部分に関してはあまり触れられていないかと思います。

そのため今回は、カフェインレス・デカフェ商品はどのように「カフェイン」を取り除いて完成しているのかについてご説明させていただきます。

※今回はお茶の中でもコーヒーを例にした説明となります。

脱カフェイン法について

ここからは、カフェインを取り除く方法である

有機溶媒法・水抽出・超臨界二酸化炭素抽出法液体二酸化炭素抽出法

の4種類をそれぞれ解説させていただきます。

Wikipediaの脱カフェイン法の記載によると

精製した生豆からカフェインを除く方法である。原理的には、生豆を有機溶媒・水・超臨界流体化した二酸化炭素などの溶媒に浸してカフェインを選択的に抽出する。

基本的にはカフェインが比較的脂溶性が高いという性質を利用して抽出するものであり、水抽出法の場合も一旦、水に抽出された成分の中からカフェインのみを選択的に抽出除去する方法が採られる。

抽出されたカフェインは精製して医薬・工業用途に用いられる。脱カフェイン法は最初に開発されたデカフェ製造法であり、これに変わる方法はまだ実用化されていない。

しかし、さまざまな脱カフェイン法が考案されているがカフェインの抽出の選択性には限界があり、他の水溶性・脂溶性成分の損失が不可避である。特に香気成分が多く失われることが問題視されている。

Wikipedia「デカフェ」より引用

との記載があります。脱カフェインには様々な方法が用いられます。

しかし、元々カフェインを含んでいる物からカフェインを取り除くという方法は、本来ある味や香りを損なってしまう可能性があるようです

そのような部分からも、コーヒーや紅茶等、本来のおいしさを味わう場合はカフェインが含まれた物を選択する必要があるでしょう

カフェインが苦手・寝る前やリラックスしたいという場合は、覚醒作用があるカフェインが少ないもしくは含まれていない「ノンカフェイン・デカフェ」を用いる等状況に応じた使い分けが必要であると言えます

それでは、それらを踏まえたうえでそれぞれの説明を見ていただければと思います。

有機溶媒法

有機溶媒法は、1906年にドイツで開発された世界で最初の脱カフェイン法です。

蒸気で膨潤させたコーヒー生豆を充填した槽に、有機溶媒(ベンゼン・クロロホルム・トリクロロエチレン)を直接豆に通しカフェインを抽出し、除去します。

有機溶媒法は生豆に有機溶媒が直接触れてしまうため、安全性が問題視されているようです。

海外では採用されている手法のようですが、日本の場合は有機溶媒法を用いたデカフェ・カフェインレスの商品は購入できないようです。

水抽出

水抽出はコーヒーの生豆を充填した槽に水を通し、カフェインを水溶性成分ごと抽出する方法です。

その後、抽出された水溶液の中にあるカフェインを有機溶媒(べンゼン・ジクロロメタン・クロロホルム・エタノール等)を用いて除去します。

カフェインを除いた後の水溶液は、残った有機溶媒を取り除いた後で再び生豆の槽に循環され、有機溶媒で抽出されなかったカフェイン以外の水溶性成分が再び生豆・茶葉に戻されます。

要はコーヒーの生豆を水に浸し、水に溶け出した成分からカフェインを抽出、残った成分をまま豆に戻すというものです。

中には、有機溶媒を用いず(天然セルロース・活性炭等を用いる)にカフェインを除去するスイスウォータープロセス・マウンテンウォータープロセスと言った方法もあり、こちらはより安全性の高い処理となります。

○スイスウォータープロセスを用いたデカフェコーヒー豆はこちら

○マウンテンウォータープロセスを用いたデカフェコーヒー豆はこちら

超臨界二酸化炭素抽出法

次に紹介する方法は超臨界二酸化炭素抽出法です。

超臨界とは簡単に言うと気体と液体の2つの性質を持ったものです。 ※詳しく知りたい場合はWikipedia「超臨界流体」をご覧ください。

紅茶の場合、こちらの方法でデカフェされている商品をよく見かけます。

超臨界二酸化炭素技術について述べられた文章がこちらです。

超臨界二酸化炭素抽出技術は、約30年前より食品分野においてホップエキスやフレーバーなどの抽出やコーヒー豆からの脱カフェイン抽出など不要成分の除去などを対象に工業利用されており、超臨界流体利用技術の工業化の原点です。
最近では、機能性食品素材を対象とした安全・安心な抽出溶媒としての期待が高まっています。

超臨界技術センター「抽出技術」より引用

この文章からも安全性に関しては問題無いように見えます。

超臨界の性質を利用することで、コーヒー豆の成分である糖分、アミノ酸、タンパク質、クロロゲン酸を溶かすことなく、カフェインのみを溶かすことができます。

超臨界状態の二酸化炭素は気圧の調整後、気体となり分離されます。その後、コーヒー豆を乾燥させれば、デカフェコーヒー豆が完成します。

※超臨界技術の詳細については超臨界技術センター「抽出技術」に詳細があるので、気になる方はご覧ください。

○超臨界二酸化炭素抽出法を使ったデカフェコーヒーはこちら

○超臨界二酸化炭素抽出法を使ったデカフェ紅茶はこちら

液体二酸化炭素抽出法

液体二酸化炭素抽出法は、コーヒー生豆を液体二酸化炭素につけ、カフェインを溶かしだす方法です。

この方法について、焙煎工房シマノ様の文章より引用致します。

 薬品不使用で、環境中にありふれた物質で毒性のない二酸化炭素を使用する体に安心な最新技術、液体CO2(二酸化炭素)抽出法にてカフェインを99.9%カットしました。

今までカフェインレス・コーヒーではあきらめていたコーヒー本来の香りや、美味しさを残せる新しい抽出方法です。

この抽出方法は、ドイツで発明されヨーロッパやアメリカ・日本でも特許を取得しています。超臨界CO2(二酸化炭素)抽出法よりもコーヒー豆に優しい条件で抽出をするため、香りや味が損なわれにくいのが特徴です。

分析値を見てもクロロゲン酸などの数値が本来のコーヒーに近く、数値によっても美味しさが証明されています。

焙煎工房シマノ「最新技術液体CO2(二酸化炭素)抽出法」より引用

コーヒー生豆を洗浄した後、水蒸気にて水分を含ませ膨張させたコーヒー生豆を、液体CO2(二酸化炭素)につけ、一定の気圧・温度でカフェインを溶かしだし除去を行う方法のようです。

除去後はコーヒー生豆を乾燥させ、デカフェコーヒー豆が完成となります。

超臨界二酸化炭素抽出法よりも新しいもののようで、味や香りを損ないにくい手法と言えます。薬品を使用しない手法のため、安全性は高いと言えます。しかし、お値段はお高めのようです。

※液体二酸化炭素抽出法の詳しい情報については焙煎工房シマノ「最新技術液体CO2(二酸化炭素)抽出法」 よりをご覧いただくと分かりやすいです。

また、こちらのサイトでは様々なコーヒー豆(しかもとても素敵な)を取り扱っているようです。

○液体二酸化炭素抽出法を使ったコーヒーはこちら


おわりに

いかがでしたでしょうか?今回の記事では、有機溶媒法・水抽出・超臨界二酸化炭素抽出法液体二酸化炭素抽出法の4つの脱カフェイン法を紹介いたしました。

一言にデカフェと言っても様々な方法でカフェインが取り除かれていることが確認できたと思います。

このような点を確認しながら、それぞれの味の違いや香りを比べてみるのも一つの楽しみかもしれませんね。

注意点について:この記事を書いた「筆者。」は脱カフェイン法に関する知識はあまり持ち合わせていないため、今回別サイトからの引用を用いながら作成・説明させていただきました。

今後もこの記事に関しては、修正やお問い合わせ内容を踏まえながら改善していく予定です。

事実と異なる点、引用の消去等ありましたら、是非サイトの「お問い合わせ」よりご連絡ください。

筆者。

今回は以上です。次回をお楽しみに。

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